今回、同美術展の初出品となるSF漫画作家の松本零士さん。
松本零士さんと言えば、宇宙戦艦ヤマト、銀河鉄道999、キャプテンハーロックなど、その作品はどれもが有名ですね。今回の美術展が本邦初公開となる作品「わが青春の心の友人たち!!」には、その松本さんが手がけた作品の代表作となる人気キャラクターが勢揃いしています。作品についてはもちろんのこと、地球環境保護や芸術文化の救済支援などについても、大変貴重なお話をお伺いしました。
Q1.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
『文化人・芸能人の多才な美術展』にご出品いただき、誠にありがとうございます。
この美術展は、芸術とは特別の人たちのものではなく、各々の個性や感性を活かして自由に表現することを大切にしたいと考え、ジャンルや形式にとらわれず、今年12年目を迎えました。
また、今年から「地球環境保護と文化財救済活動支援のチャリティー企画」を新たなテーマとして掲げており、特に地球環境といった部分も意識していきたいことの1つです。松本零士さんの作品の中でも宇宙や地球が舞台となる作品が多いと思いますが、地球環境や芸術文化など、松本零士さんが大切にされていることを教えていただけませんか?
A1.松本零士さん
はい、宇宙戦艦ヤマトや銀河鉄道999など、私の作品は
宇宙を舞台としたものが多くあります。
また、これらの作品は、地球環境を守ることに対してもメッセージを込めているんですよ。
これは私なりの解釈ですが、地球環境を保護することとは、自然と人間のお互いの信頼関係を保つことであり、自分の友を大切にするのと同じように地球と向き合うことではないかと思います。そして、未来を背負う子供たちに、私たち大人が何かを示し、託していくことが大切です。私の場合は、
作品を通じて、地球環境保護も伝えていきたいと考えました。
Q2.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
松本零士さんにご出品いただいた「わが青春の心の友人たち!!」は、誰もが知るキャラクターが1つに描かれている作品となるので、ファンはもちろんのこと、多くの方が見たい作品だと思います。「わが青春の心の友人たち!!」は、どのようにして制作されたのでしょうか?作品タイトルの「友人」といった言葉に惹かれるのですが…
A2.松本零士さん
先ず、この作品のタイトルにもある「友人」とは、私にとって生涯の親友のことを意味します。
一人一人のキャラクターには人間愛を宿しており、私の友として制作しました。ここには1つの誓いがあり、お互いを理解して生命を共にしていくこと…つまり、どのような時代や状況にあっても守るべき友なのです。言い換えれば、
この作品は私自身の人生の物語とも言えるでしょう。
Q3.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
ご質問とも重なるかもしれませんが、「わが青春の心の友人たち!!」の中には、松本さんの代表作となるキャラクターが網羅されていると思いますが、必ずしも主役キャラクターが入っていないのは何故ですか?
何か制作に当たってのエピソードがあれば教えてください。
A3.松本零士さん
この作品の友人たちは1つの物語でもあるとお伝えしましたが、キャラクターが全て入っていないのは、全て入れてしますと「カーテンコール」を意味することになるからです。
つまり、まだ旅の途中であり、私の志が目標に向かって走り続けていることでもあるんですね。
Q4.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
エピソードにも関係することかもしれませんが、作品「わが青春の心の友人たち!!」のどのような部分に注目して見ていただきたいですか?
A4.松本零士さん
私の心の友を描いた作品であることを知っていただきたいですね。それと、実はこの作品、よく見ると私自身も登場していますよ。
Q5.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
次回の美術展にもぜひご参加いただきたいと思っておりますが、次はどのような作品やどのような層の方々に松本零士さんの作品を見ていただきたいですか?
A5.松本零士さん
地球環境保護や芸術文化の救済支援は、私がとても大切に考えていることですよ。この「文化人・芸能人の多才な美術展」を通じて、沢山の作家が1つに集まり、そして輪になっていく…
美術展の「拡げよう文化の輪・芸術は世界を救う!」といったテーマにも、凄く共感するものがありますね。このような美術展が世界規模で大きな力となることを心より望みますし、これからも是非お役に立ちたいと考えています。
Q6.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
ファンの方に向けて一言お願いします。
A6.松本零士さん
地球環境を大切にすることなく、破壊したりして失ってしまうと二度戻ることはないでしょう。
私たちは、もっとこのことを日常生活の中で大切に考えていかなければなりません。
地球を友として、またあなたにとって大切な友を見つけてください。
松本零士プロフィール
1938年(昭和13年1月25日)福岡県久留米市生まれ。
1953年「蜜蜂の冒険」で漫画界デビュー。
同作品で「漫画少年」第一回新人王受賞。
1972年(昭和47年)「男おいどん」で講談社出版文化賞漫画部門賞を受賞。「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」はアニメ化される。1978年(昭和53年)「銀河鉄道999」で小学館、日本漫画協会の賞を受賞。
1979年 第24回映画の日特別功労賞を受賞。
近年ではフランスのロックバンド、ダフトパンクのプロモーションビデオ製作が話題を呼んだ。
他に「諸外国との映画、アニメの製作プロジェクト」等の作業が始動しつつ有る。
日本漫画家協会常任理事
著作権部長、財団法人日本宇宙少年団理事長
コンピューターソフトウエア著作権協会理事、
社団法人中央青少年団体連絡協議会会長、
大阪府立大型児童館ビッグバン館長、
かがみがはら航空宇宙博物館名誉館長、
焼津ディスカバリーパーク科学館名誉館長、
郡山市ふれあい科学館名誉館長、
2001年(平成13年)紫綬褒章受賞、
呉歴史海事博物館名誉館長、
宝塚造形芸術大学教授、
京都産業大学客員教授。他