『文化人・芸能人の多才な美術展』出品者の声

■望月宗生さん

Q1.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

26周年『文化人・芸能人の多才な美術展』にご参加いただき、誠にありがとうございます! 今回の当美術展のテーマは、「国際交流と文化財復興支援」です。最初に、望月宗生さんから、「国際交流と文化財復興支援」について、ご意見を聞かせて下さい。

A1.望月宗生さん

美術という文化の魅力の一つに言語を必要としないコミュニケーションがあり、作品を通して他国の人々と交流することはお互いの文化の発展に寄与するであろうと私は考えています。そういった価値ある国際交流の場が美術作品で彩られて、ご来場者様が鑑賞したり歓談したり楽しむことで、無理のないかたちで文化財復興のための支援になることはこの上なく有意義だと感じて出品したいと思いました。作家個人では復興に対してやれることは非常に少ないですが、このようなかたちで自分の得意分野で誰かの役に立てることはとても光栄に思います。

国際交流というところに着目すると、日本とインドとでそれぞれの文化の中でしか生まれない芸術性があり、異なる価値観の交換をし合うことでまた新しい何かが生まれることが期待されます。また、インドはこれから大きく発展していくであろう国、日本は成熟しきっている国。この正反対の二つの国が手を組むことの意味は社会的にすごく大きいと思いますし、美術の分野でも大きな影響があるだろうと思いますので、そうなった時にどうなるのかとても楽しみです。

Q2.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

ありがとうございます。続いて、望月さんの作品について、作品内容のご説明を含め、制作のエピソードをお話ください。

A2. 望月宗生さん

作品タイトル「meta-disguise#1」

出品作については、今回は2作品ありまして、いずれも「強い女性」をテーマにしています。これからの世界では“女性性”に価値が見出されると私は考えていて、社会で女性が活躍することを示唆する作品を作っています。 今までの合理性や物質的なものに価値が置かれていた時代から、感性・感覚やコミュニティなど、目に見えないものに価値を感じる世の中になってきました。

それはまさに、女性が得意とするところであり、男女対等な社会の実現が期待されます。どの国においてもジェンダー不平等は叫ばれていて、国によって女性差別の問題は様々ではあり、国際交流の場でそれぞれの問題点の理解を深めて解決の糸口を探ることは重要だと思いました。

作品タイトル「big bang」

「BIG BANG」は、初めてスプレーに挑戦した作品で、鉛筆画というイメージをかなり超越した出来に仕上がっているので特に注目してほしいです。制作時間はサイズによって変わりますが、今回出品するものに関しては、およそ2〜3週間かかりました。

Q3.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

ご来場者のお客様には、是非、望月さんからご説明いただいたポイントに注目していただきたいですね。今後の当美術展の開催に対して、どのようなことを期待しますか。

A3.望月宗生さん

美術という分野は、敷居が高いと感じられているせいか、世間からの関心が決して高いと言えません。展示会を開催しても、よっぽど人気・有名な作家でない限り、あまり足を運んでもらえないことが多いと感じるからです。そういった分野の中で『文化人・芸能人の多才な美術展』は、影響力の大きい人達が多数参加し、美術にそこまで詳しくない方々にもその楽しさを知ってもらえる機会になると思うので、これからも末永く続いていってほしいです。それと、いつも応援して下さっている皆様に私の絵や創作の活動も楽しんで頂きたいと思いました。

また、主催者である松岡久美子さんの地道な努力により、様々な国の大統領や国王、そして日本の総理大臣など錚々たる顔ぶれの出展が実現してきましたので、ただ単に作品を展示するだけの企画ではなく異なる国や分野が交わることでシナジーが生まれることが期待できます。そのような世界全体で良くなっていきたいという松岡さんの思想はとても素晴らしく思いますので、この長く続いている企画展の今後が楽しみです。

Q4.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

貴重なご意見ありがとうごました。今後も当美術展にご参加いただきたいと思っていますので、次に出品するならどんな作品を公開していただけますか。もしくは、どんな作品制作にチャレンジしてみたいとお考えでしょうか。

A4.望月宗生さん

鉛筆だけでなく、別の素材と組み合わせて、鉛筆の写実描写をより一層美しく見せる方法を模索しています。今回も鉛筆画にスプレーの表現を加えて制作に挑戦しました。鉛筆画の描画面は、あまり質感をともなわないので、今ひとつ物足りない感じがあるのです。これからクリスタルやメタルをはじめ、岩肌のような素材を使うことにチャレンジし、作品を前にした人にキラキラしたり、ザラザラしたり、質感まで楽しんでもらえる作品を制作していく予定です。

また、サイドストーリーとして鉛筆を使わない作品にもチャレンジする構想もあります。15年間鉛筆画を続けてきたので鉛筆による描写はお手のものなのですが、それに加えて鉛筆を一切使わないけど今までの鉛筆画との関連性の深い作品をつくりたいと思っています。そうすることによってメインの鉛筆画の表現のバリエーションや深みといったところに良い影響が期待できるので、鉛筆画の制作を進めつつもまたテイストの違う作品も試行錯誤していきたいです。

Q5.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

最後に、ファンの方々へ向けたメッセージをお願いします。

A5. 望月宗生さん

今年から作品コンセプトや魅力的な画面作りを更に強化していて、今まで以上にお楽しみいただける活動をしていきます。これまでの制作理念にもっと自分らしさや個人的な嗜好を肉付けしてより一層密度の高いものになりましたので、唯一無二の作品に近づいている確信があります。

また、作品から派生して別の分野でのアートワークやデザインにも携わり、美術という枠を超えて僕のアートの力で世界中の人々を楽しませたいと思っています。それを実現するためには僕1人の力では難しいので、僕のアート活動に賛同してくださる方々と一緒にステップアップしていきたいです。こういったコンセプトのリニューアルによる作品の成長や進化だったり、様々な分野に僕のアートが広がっていく過程を、応援してくださる皆さんに共有していきます。なのでせっかくなら応援だけにとどまらず僕が思い描く未来を一緒になって作ってくれると嬉しいです。

■望月宗生プロフィール

武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。鉛筆画家として「強い女性」をテーマに凛とした女性の肖像と強さ・進化の象徴である恐竜を描いている。男女対等をコンセプトにして、これからやってくるであるう"女性性が価値を持つ時代”をサイバーパンクの世界観で表現。 これは私たちが住む世界がどんどんデジタル化していく未来と重ね合わせていて、今までの常識やあたり前の価値観がガラッと変わる中で人々も進化や変化が求められることを比喩的に伝えている。