2021年8月20日
特定非営利活動法人 日本国際文化遺産協会
『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会
震災復興支援文化財救済活動チャリティー企画
22周年「文化人・芸能人の多才な美術展」2021
Entertainment Art Exhibition
「文化人・芸能人の多才な美術展」は、文字通り、文化人・芸能人そして国会議員などが制作した絵画を中心に、彫刻・写真・書・陶芸といった様々な分野の作品から構成されるものです。これまでに歴代の内閣総理大臣をはじめ、世界的に著名な方々にもご参加をいただいてきました。
この美術展は、その年の時事問題を中心にテーマを掲げ、そのテーマにふさわしい人物を選び出し、出品交渉を行い、あわせて各部門の作品を選考し、全体を構成するという、他では類を見ない展覧会として国内外から注目されているものでもあります。
平成11年からはじめたこの展覧会は、今年で22年目を迎えますが、これまでの出品者総数は1520名、総来場者数は全国131会場で228万人を数えるまでに発展し、私が目指してきたEntertainment Artという分野が確実に育って確固たる地位を確立することができ嬉しく思っております。
今回のテーマは、昨年に続き、「絶大なる影響力と愛」としました。それは近年の社会情勢から垣間見える環境保護、核兵器の放棄、平和と安定、自由で平等な社会の構築などの問題に加え、深刻な地球温暖化とともに世界を震撼させ続ける新型コロナウイルス感染症の問題に私たちはどう立ち向かい、今何を成すべきかを再度、真剣に考えなければならないと強く感じたからです。世界規模の災害やパンデミックは人の心を破壊し、それはやがて各地で育まれてきた歴史と文化をも消失させてしまう恐れさえあります。人間にとって大切な価値観や創造力、相手に対する思いやり、そして歴史に残さなければならない文化遺産なども失われてしまう可能性もあるのです。世界中の人々に突き付けられたこの問題に対し、私は何よりも大切な事は人の愛と命であることを痛感しております。
特に、このコロナ感染拡大に対し、「制御不可能」という文字が新聞の第一面に載る状況下、この展覧会を開催するにあたり、まるで戦場に向かうかのような張り詰めた緊張感を持たざるを得ない現実の悲劇に直面いたしました。しかし、こうした時だからこそ、芸術の力を信じ、この難局を乗り超えるべく、この展覧会を開催することといたしました。
ところで、今年7月、「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」がユネスコの無形文化遺産に登録されました。日本の宮大工や左官職人らが古くから継承してきた17分野の技術の価値が世界的に認められたわけです。私はこのニュースに大いに喜びました。それは私が永年、時代とともに廃れていく日本の伝統技術を、何とか守れないかと思っていたからです。ようやく、この分野にも世界の目が向けられるようになったのです。私が日本の伝統的な建築文化に深く関心を覚えたのは、江戸時代に建てられた世界最大級の木造建築である京都の世界遺産・西本願寺の御影堂の大修理事業が始まろうとしていた時です。この事業は、平成11年から10年をかけ行われました。これには、のべ6万人にのぼる日本を代表する職人が集結しました。この機を逃してはならない。今こそ日本の匠の技術を世界にアピールし、後世に残すための映像記録を制作すべきだと思い、NHKに提案しました。その結果、この企画は認められ、修復事業のすべての過程はNHKが撮影し、その様子がNHKの特集番組として放映されました。お陰様でその番組は、NHKエンタープライズ社長賞や特別賞、イタリア、スロバキアなど海外でいくつかの特別賞をいただくことになり、日本の伝統文化である職人の技術に大きくスポットが当たるきっかけとなりました。そしてこのことが内閣府の公認を受け、特定非営利活動法人「日本国際文化遺産協会」を設立するきっかけともなりました。このNPOは、文化遺産の保存継承に必要不可欠な修復資材の供給源である自然環境の保全と、その上に築かれた伝統的修復技術の保護振興や人材育成を図るとともに、国内および海外の文化遺産を対象に、我が国に蓄積された伝統的修復技術の知識、経験などを生かして文化遺産を未来に引き継ぐための支援事業などを行うことを目的に設立され、今年で11年目を迎えます。現在、文化財修理「匠」育成へつながり、文化庁が5カ年プロジェクトで「文化財の匠プロジェクト」につながるきっかけとなりました。NPOの存在意義を広くアピールするとともに、私たちが心豊かに暮らしていくためには世界の平和と地球規模での環境保護、そして人類の歴史と文化が凝縮された文化財の保護もきわめて重要であることを、この展覧会を通し、一人でも多くの方々に伝えて行きたいと考えております。
令和3年8月吉日
震災復興支援文化財保護レスキュー救済活動チャリティー企画
特定非営利活動法人 日本国際文化遺産協会 理事長
「文化人・芸能人の多才な美術展」実行委員会 代表
美術評論家・アートプロデューサー 松岡久美子
-本件に関するお問合わせ先-
「文化人・芸能人の多才な美術展」実行委員会事務局
代表・松岡久美子 ラリス株式会社
TEL:03-5771-6555(代) FAX:03-5771-8833
広報担当 井上