『文化人・芸能人の多才な美術展』出品者の声

■逢香 oukaさん

Q1.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

26周年『文化人・芸能人の多才な美術展』にご参加いただき、誠にありがとうございます! 今回の当美術展のテーマは、「国際交流と文化財復興支援」です。 最初に、逢香さんから、「国際交流と文化財復興支援」について、ご意見を聞かせて下さい。

A1.逢香 oukaさん

『文化人・芸能人の多才な美術展』は、自然災害などがもたらした世界的な情勢不安と経済危機をアートの力で乗り越えようと言う試みに大変賛同しました。
何故かといいますと、私が描いている “妖怪”自体もその役割を担っているからです。詳しく説明すると、昔から恐れられていた自然への畏怖や不可解な現象を背景とし、 想像力によってキャラクターを具現化するとともにアートの力で乗り越えるという想いを込めています。

また、国際交流ついても共感しました。というのも、私は実家が書道教室をしていて、小さい頃から墨や筆、和紙に触れ、現在も書道は生活の一部になっています。 そうした古き良き日本の伝統文化の美しさや魅力を感じてきたからこそ、日本人はもちろんのこと、海外の方にも広く伝えていきたいと思っています。 今回の『文化人・芸能人の多才な美術展』は、様々な業界からの出展者様や、インドのアーティストとともに作品を展示できることを光栄に思っています。 ありがとうございます。

Q2.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

逢香さんの作品と『文化人・芸能人の多才な美術展』の目指す方向性が一緒というのはとても嬉しいお話ですね。では、その逢香さんの作品について、 作品内容のご説明を含め、制作のエピソードをお話ください。

A2. 逢香 oukaさん

作品タイトル「黒い妖怪ウォッチ」(C)L5YWP・TX

まず、「黒い妖怪ウォッチ」は、私がアニメ妖怪ウォッチシリーズの「黒い妖怪ウォッチ」の全てのキャラクターデザイン・タイトルデザインを担当することになって描いた作品です。
2017年2月から始まったアニメ化に伴い、玩具の販売やアプリでの登場など幅広い展開をした私の代表作。キャラクターデザインは、全て水墨画で表現し、いつものポップでかわいい妖怪たちを、 大人な雰囲気でさらに妖怪らしいデザインで描き上げました。

作品タイトル「I am woman」

また、「I am woman」は、 “般若だって女性なのよ?”と語りかけることを意識して制作した作品です。
人間たちに角を切ってもらい、そして片手に口紅を持つことで女性らしさを強調し、 こちらに問いかけてくるような風刺画で描きました。エピソードと言えば、般若が手に持っている口紅にアクセントをつけたことです。これは本物の口紅を使って描きました。

Q3.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

それは面白い!ご来場者のお客様には、是非、逢香さんからご説明いただいたポイントに注目していただきたいですね。今後の当美術展の開催に対して、どのようなことを期待しますか。

A3.逢香 oukaさん

今後も継続していただけることを期待しています。『文化人・芸能人の多才な美術展』は、26周年を迎えられ、続けてこられたことは恐れ多いながらも凄いなと思いました。
私が知る奈良の墨作りの職人さんも、昔からの製造工程と変わらず今も作り続けています。身近に接していて、“続ける”ということが、どれだけ大変なことか知りました。

また、『文化人・芸能人の多才な美術展』は、作品を発表するというだけではない、社会に向けたメッセージ性や世界をアートの力で少しでも良くしたいという想いが込められているのも素晴らしいところ。 今後については、『文化人・芸能人の多才な美術展』もしくは、美術展の企画者であるアートプロデューサーの松岡久美子さんと別のプロジェクトでもコラボレーションできたら嬉しいですね。
例えば、私は一般社団法人モノモンを設立し、児童養護施設や病院の子どもたちが墨を使って、妖怪などを描いて発表する墨アートプロジェクトの活動が挙げられます。 表現の面白さや墨の魅力を子どもたちに知ってもらうとともに作品の発表の機会を作ることで普段接点のない人と人同士をアートの力でつなげるきっかけにもなればと思って始めました。

Q4.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

貴重なご意見ありがとうごました。今後も当美術展にご参加いただきたいと思っていますので、次に出品するならどんな作品を公開していただけますか。 もしくは、どんな作品制作にチャレンジしてみたいとお考えでしょうか。

A4.逢香 oukaさん

風刺画です。デジタル化が進む世の中ですが、あえて時代と逆行したアナログの面白みを発信し続けながら、墨と筆を使って掛軸作品を制作していきたいと考えています。
今回の『文化人・芸能人の多才な美術展』では、風刺画の「I am woman」を出展できましたので、心から嬉しく思っています。

Q5.『文化人・芸能人の多才な美術展』実行委員会

最後に、ファンの方々へ向けたメッセージをお願いします。

A5. 逢香 oukaさん

私一人の人間にできることは少しかもしれませんが、いつか誰かのためになることができる人間になれるよう精進したいと思います。今後ともよろしくお願いします。

■逢香 oukaプロフィール

大阪府出身、奈良在住。
6歳から書道を学ぶ。奈良教育大学(伝統文化教育専攻 書道教育専修)に入学後、変体仮名の授業を受け個性豊かな妖怪たちに魅了され、奈良墨を使って描きはじめる。
2017年には妖怪ウォッチシリーズ「黒い妖怪ウォッチ」のキャラクターデザインとタイトルデザインを担当。
奈良の有名な神社仏閣でのパフォーマンスや作品奉納の実績もあり、個展も積極的に開催している。